Jiteraは、開発AIエージェント「Jitera」を活用して、レガシーシステムをAIで再構築するモダナイゼーション支援サービスの提供を、6月11日に開始した。
同サービスでは、EOL(End of Life)を迎えたシステムや、設計書が存在しないブラックボックス化したシステム、属人化・老朽化したシステムなどを対象に、AIによる段階的な再設計と再構築の支援を行う。
設計書の書き起こし(リバースエンジニアリング)からクラウド移行(リホスト)、新言語・フレームワークへの書き換え(リライト)までを一貫して支援することによって、長期的な運用に耐えられるモダンなシステムへの再生を実現する。
具体的には、以下の3ステップを中心に現状のシステムを段階的に刷新していく。
- 設計書の書き起こし(リバースエンジニアリング):ソースコードや操作ログなどを解析し、設計情報を再構築
- クラウド環境への移行(リホスト):オンプレミス環境からAWSなどのクラウドへ安全に移行
- モダン技術への書き換え(リライト):保守性と拡張性の高い最新技術スタックへ移行
これらのステップを通じて、ブラックボックス化の解消、UX改善、運用コストの最適化、技術的負債の軽減を実現し、レガシーシステムを次の10年を見据えられるモダンなシステムに安全に移行できる。
同サービスによって得られる効果は以下の通り。
- 長期運用に対応:次の10〜20年を見据えた持続可能な開発・運用体制を実現
- メンテナンス性向上:AIによる設計書の自動更新によりドキュメント整備の負荷を軽減
- ユーザビリティの向上:UI/UXの刷新による業務効率の改善
- 採用競争力の強化:モダンな技術への移行により人材確保が容易に

さらに、「Jitera」を使用してソースコードを分析することで、API定義やER図、画面項目定義といった設計ドキュメントが高速で自動生成されるほか、AIエージェントとの対話を通じてシステム固有な設計情報の抽出もできる。また、生成された設計書をもとに指定したプログラミング言語・フレームワークでAIがソースコードを実装し、AIに実装されたコードを開発者がレビュー・加筆することによって、品質向上と開発スピード向上を両立する。
プロジェクトには、専任のプロジェクトマネージャーだけでなくプロジェクトマネジメントオフィスおよびテクニカルアーキテクトが伴走し、多面的なモニタリングやレポーティングなどを通じた、高い透明性で進められる。あわせて、業務効率改善、CV率の向上といったシステムの目的に合わせてUI/UXを再設計することで、事業成長を支援する。
そのほか、業界知見や大規模プロジェクトの経験を有するパートナー企業との連携による、複雑なモダナイゼーションへの対応も可能となっている。
「Jitera」は、システム開発・システム改修を自動化するプラットフォームで、既存システムのソースコードを読み込んでシステム構造を分析し、高精度な設計書を自動生成することによって、システム開発・改修を効率化するとともにコスト削減へつなげる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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